■レーシック情報:レーシックで老眼も治療可能ブログ:24-10-15
1週間ほど前、ふた月振りにママが帰ってきた。
「お父さんの還暦祝いをするんだけど、来てくれる?」
パパの勤務地が変わって、
ママはパパと渋谷へ行ってしまった。
そして、ママはときどき一人で渋谷に帰ってくるのだ。
ママが戻る日…
ボクは仕事で休めなそうにないから無理だと言うと、
ママは寂しそうな顔で家を出ていった。
ボクは家で一人ぼっちになると、
ママには悪いことをしたなぁ…と後悔した。
沈んだ気分を吹き飛ばしたくて
ボクはテレビをつけた。
司会者とゲストが楽しそうにおしゃべりしている。
その遣り取りで、
ボクはゲストが司会者から電報を受け取っているのが気になった。
「そういえば、電報という手があるな!」
パパの還暦祝いに、
ボクは真っ赤な鳳凰が羽ばたいているデザインのカードを選んで、
メッセージを添えて贈ることにした。
パパの還暦祝いが行われた翌日、
ママから電話がかかってきた。
ママの声はいつもより弾んでいた。
「ありがとう。電報届いたよ。
感情をあまり出さないお父さんの久しぶりの笑顔が見れたわ」
「お父さん、喜んでくれたんやな」
「当り前よ。お父さんね、メッセージを読んでからしばらくの間、
鳳凰にみとれていたわ」
おしゃべり好きのママの話はいつものように脱線し、
なかなか話が尽きなかったが、
ようやく電話を切ることができた。
ママの声が聞こえなくなると、
今度はパパの姿が浮かんだ。
今頃
座敷に胡坐をかいて愉快な顔で
パパはお酒を飲んでいるのかなぁ…
その横で、あの真っ赤な鳳凰は羽を休めていることだろう…